出典:Photo by Bank of England on Foter
知っていると思っていても...
2021年は太平洋戦争が始まって80年ということで、日米開戦について述べているテレビ番組が多くありました。
その中でチャーチルの存在が大きく関わっていたという内容の番組がありました。
チャーチルがイギリスの首相だったことは知っていましたが、日米開戦に大きくかかわっていたということは知りませんでした。
太平洋戦争のことは、本や雑誌を何冊も読んでいたので知っているつもりだったのですが、チャーチルの関わり方は知りませんでした。
イギリスはアメリカの参戦を必要としていた
当時、イギリスはドイツと戦っていました。
ヨーロッパではフランスもドイツに敗れてイギリスは苦しい戦いをしていました。
そこで、アメリカに参戦してもらい、戦局を有利に進めたいと思うのは当然のことだったと思います。
ただ、参戦すれば多くの死傷者が出ます。
アメリカとしても参戦は避けたいと思っていたようです。
中国もアメリカの参戦を望んでいた
以前に「中国がアメリカの参戦を望んでいた」という内容のテレビ番組を見たことがありました。
当時、中国は日中戦争で日本に押され、敗北するかもしれないと思っていました。
そのために、アメリカの日本に対する強力な経済的締め付けや参戦が必要と考えたのです。
その結果、中国はアメリカでの「ロビー活動」に力を入れたのでした。
(「ロビー活動」とは、企業や団体などが、自らに有利な方向へ政治が展開していくようにと、政治家へ働きかけることを意味します)
私は、表に出ないような中国の「ロビー活動」が、太平洋戦争へとつながる大きな要因だと思っていました。
しかし、チャーチルの行動も大きかったようです。
チャーチルの行動
日独伊三国同盟(軍事同盟)を締結している日本とアメリカが戦争をすれば、アメリカをドイツとの戦争に参加させることが可能になります。
そのため、チャーチルは噓の情報をアメリカに伝え、日米開戦へ導こうと思ったようでした。
当時日本軍は、マレー作戦を開始し南方へ侵攻していました。
南方には、アメリカの植民地だったフィリピンがありました。
そして、アメリカは、日本軍がフィリピンにも侵攻するのではないかと懸念していたのです。
そこでチャーチルは嘘の情報をアメリカへ流していたようでした。
例えば、日本軍が兵員交代用の船団を南方に向けていたことを、「日本軍の大船団が南方へ侵攻するために向かっている」とアメリカ側へ伝えたようです。
その結果、アメリカは日本軍がフィリピンに侵攻する用意をしていると思って激怒し、「最後通牒」と思える「ハル・ノート」が作成されたようです。
(「最後通牒」とは相手がそれを受諾しなければ強制措置または戦争に訴えると脅かして相手に譲歩させようとする内容の外交文書)
(「ハル・ノート」とは太平洋戦争開戦直前の日米交渉において、1941年11月26日(日本時間11月27日)にアメリカ側から日本側に提示された交渉文書)
得した気分でハッピーに
日本が日独伊三国同盟を締結したときから、日米開戦は避けられなかったと思います。
ただ、その時期が早まった要因の一つに、チャーチルの関わりが大きかったのだと思いました。
歴史について知っているつもりでも、知らないことは多いようです。
歴史について調べると、今までに知らなかったことを知るかもしれません。
そして、少し得した気分になり、ちょっとだけハッピーになるかもしれません...
文章:エムユー