前回に続きなぜ今なのか?
前回に続きなぜ今なのかと言うと、
ただ、「今の日本が戦争をしていない」からだけではなく、明治以来、太平洋戦争(第二次大戦)の終結まで日本には「徴兵制」があったからです。
例え戦争をしていなくても「兵士になる義務」があったのです。
新米兵士の悲惨な日常
以前「海軍めしたき物語」と言う本を読んだことがあります。
徴兵され、めしたき兵(主計兵)として戦艦に乗っていた人の体験記ですが、ユーモラスな文章とイラストで、軽いタッチの読みやすい本でした。
ただ、内容は新米兵士の悲惨な日常を描いているものでした。
とにかく、事あるごとに先任のめしたき兵からしごかれ、ビンタは日常茶飯事。
同年兵の連帯責任で不意に行われる腕立て伏せなど、完璧なイジメの世界です。
例えば、停泊している戦艦から上陸する場合「カッター」と呼ばれる大型の手漕ぎボートを使用するのですが、ほかの「カッター」より早く岸に着かないとしごかれたそうです。
私だと切れて大変なことになっていた!
私は若いころ、腕力があり怖いものがないと思っていました。
高校生のころは懸垂が25回くらいできて、腕相撲では負け知らず、ガタイの良い野球部のキャッチャーでも全然相手にならないほどでした。
だから、当時の私はプロレスラーくらいしか負けることはないだろうと思っていたのです。
そんな私が徴兵のある時代に生まれて徴兵されていた場合を想像すると、もし理不尽な理由で殴られたなら、100%切れて、100発くらい殴り返していたと思います。
そして、憲兵に逮捕され刑務所に送られていたかもしれません。
私の場合は今の時代に生まれたことが本当に幸せだと思います。
今の時期だけでも戦争体験の本を読んでほしい
前にも書きましたが、8月は原爆投下の日や終戦の日がある月で、テレビでも戦争や原爆投下を題材にした番組が良く放送されます。
この時期だけでも「海軍めしたき物語」のような戦争体験の本を読んでみて下さい。
(「海軍めしたき物語」を検索すると絶版のようでした、入手は古本になるようです)
ほかにも戦争体験の本は色々あります。
アメリカ兵の体験記「B-29日本爆撃30回の実録」と言う本もあります。
日本を爆撃したB-29のパイロットの話しですが、爆撃側の損害も多く(3000人ほどが戦死したそうです)常に恐怖を抱いていたようです。
戦争は勝った側も悲惨だとわかる本です。
ぜひ戦争体験の本を読んで、今の時代に生まれたことが幸福だと思って下さい。
文章:エムユー