出典:COPYRIGHT 2022 TELECOM STAFF Inc. ALL RIGHTS RESERVED.
『小さな村の物語 イタリア』は、イタリアの紀行・ドキュメンタリー番組です。
BS日テレで土曜日の 18:00~18:54 に放送されています。
筆者は、この番組を新しいかたちの癒し番組として捉えることができると思います。
毎回ひとつの村を紹介するシリーズとして、このコラムもお送りします。
はじめに
この番組では毎回イタリアの田舎の小さな村が選ばれます。
そこに暮らす村人の、気候や風土に合わせて生きる姿がありのままに描かれます。
山地や海辺といった豊かな自然のなかで、家族や友人とともにつつましくもたくましく生きる村人たちの生活が、観るものにやさしい癒しと、じっくりと生き方を見つめる力を与えてくれます。
どんな番組?
今回は、べヴァーニャという村の回をご紹介します。
第352回の放送です。
イタリア半島の真ん中、ウンブリア州にある、ベージュ色の城壁に囲まれた小さな村です。
創立170年にもなる伝統の楽団を率いる指揮者のフィリッポ・サレンミさん。
楽団は、村の誇りであり象徴でもある存在。
フィリッポさんは村の出身ではありませんが、その情熱を高く評価され、村に溶け込み
村人から尊敬される音楽教師です。
フィリッポさん
もとは銀行員をしていましたが、旅で訪れたべヴァーニャにほれ込み、食堂を買い取った
ルチアーノさん。
共同経営者が料理担当、ルチアーノさんが接客担当でしたが、共同経営者が去ってルチアーノさんが料理人になりました。
地元の農家と仲良くし、土地の食材を生かした素朴なメニューが人気です。
ルチアーノさん
かご作りの名人であるジョゼッピーナさん。
農業の傍らかご作りに励んできました。夫のダンテさんとは結婚65年を迎え、ますます仲睦まじい夫婦です。
ジョゼッピーナさんと夫のダンテさん
見どころ
昔ながらの暮らしを続ける村人たち。
その暮らしは素朴でありながら、大切なものを守りつづけるものです。
ことさら「伝統を重んじる」というわけではなく、さりげなく大事なものを守りつづけて
生きているのです。
大切なものを守り続ける姿を見て、ふと自分の生き方を振り返り、気づきが得られます。
そうして、幸せに近づくのではないでしょうか。
番組の公式サイトでは、下記のような紹介がなされています。(以下引用)
”美しく生きるということ…。
気候や風土に逆らわず、共存しながら暮らす。
先人たちが築き守ってきた伝統や文化を誇りに思いながら生きる。
人間本来の暮らしが息づく「小さな村」が今、注目されています。
海を臨む小さな漁村、山肌にはりつくように佇む村、雪に覆われた山間の寒村…。
古き良き歴史と豊穣の大地を持つイタリアで、心豊かに生きる人たち。
〝豊かに暮らす 美しく生きる〟とはどういうことなのか。
私たちが忘れてしまった素敵な物語が、小さな村で静かに息づいていました。
番組ではありのままの時間の流れを追い、
村人たちの普段着の日常を描いていきます。”
おわりに
仰々しくないかたちで、美しく生きるとはどういうことなのかを深く考えさせる、静かに落ち着いた番組です。それでいて、ぜんぜん説教臭くありません。
美しい風景が楽しめるところも、幸せポイントです。
自分の生き方をもう一度見つめなおすことができ、癒しを得られます。
幸せについて考え直すきっかけになるこの番組を、強くおすすめします。
文章:curando