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タイで気を付けた方がいい病気

出典:Photo by Thomas van de Vosse on Foter

今回はタイに旅行や在住する際に気を付けた方が良い病気をいくつかご紹介します。

狂犬病

潜伏期は通常1~3か月と言われております。症状は発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、疲労感といった風邪のような症状で始まり、咬まれた部位の痛みや知覚異常を伴います。

興奮や不安状態、錯乱、幻覚、攻撃的状態、水を怖がるなどの脳炎症状を呈し、最終的には昏睡から呼吸停止で亡くなります。発症するとほぼ100%の確率で亡くなってしまう危険な病気です。

感染経路

主な病原体は狂犬病ウイルスでウイルスを保有する犬、猫およびコウモリを含む野生生物に咬まれたり、引っ掻かれたりして出来た傷口からウイルスが侵入する事で感染します。

予防等

狂犬病ワクチン予防接種が有効です。野生動物と接触する機会がある場合や医療機関が近くにない地域へ旅行される方には渡航前の予防接種(暴露前接種)をおすすめします。

野生動物には近寄らないように注意しましょう!!

デング熱

出典:Photo credit: coniferconifer on Visualhunt

潜伏期は通常4~7日ですがときに2週間後に発症する事もあります。症状は急な発熱、頭痛、全身の筋肉・関節痛、眼窩(特に眼球後部)痛が出現、3~5日で解熱傾向となり全身の発疹が見られる事もあります。

重篤な症状として、出血症状や胸水、腹水などがあり(デング出血熱)死亡する場合もあります。特に15歳以下の小児では多く見られる傾向にありますので注意が必要です!!

感染経路

ネッタイシマカやヒトスジシマカが媒介し、ウイルス保有の蚊に刺される事により感染成立します。

直接的なヒトからヒトへの感染はありません。

予防等

特に日中は媒介蚊の吸血活動時間帯となりますので防虫スプレー、蚊取り線香などの使用や服装面での注意など充分な防蚊対策を行って下さい。(デング熱は都市部でも見られます。)

ワクチンはありません。デング熱を媒介する蚊は国内にも生息しています。感染拡大予防の観点から感染が疑われた場合には発熱後10日間は蚊に刺されないように注意して下さい。

レプトスピラ症

潜伏期は通常5~14日(稀に~3週間)です。症状は感冒様症状のみで軽快する軽症型から黄疸、出血、腎障害を伴う重症型(ワイル病)まで多彩な症状を示します。

潜伏期を経て発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、腹痛、結膜充血などが生じ、発症後4~6日後頃に黄疸が出現したり、出血傾向も強まっていきます。

特異的な症状が無いので初期診断は難しいです。軽症型の予後は一般的に良好ですがワイル病では早期に適切な治療がなされない場合の死亡率は20%~30%です。

感染経路

レプトスピラ菌は保菌しているネズミ、犬、家畜などの哺乳動物の尿から排泄され土壌や水を数週間にわたり汚染します。

この為に土壌、水、保菌動物と接触した際に皮膚や粘膜から体内に菌が侵入する事で感染します。

大雨や洪水の後は汚染水がうっ滞したり、ネズミと接近する機会が増えるなどにより感染の危険性が高くなる為注意が必要です。

稀ですが尿などを介したヒトからヒトへの感染の報告もあります。

予防等

レプトスピラ症の流行地域では不用意に水に入らない事、特に洪水の後には絶対に入らない事が重要です。どうしても水に浸かる必要がある場合はゴム長靴やゴム手袋などを着用しましょう。

予防ワクチンが開発されていますが接種可能な施設は限られています。抗菌薬(ドキシサイクリン)の内服も予防効果がありますが長期間の服用は奨められていません。

細菌性赤痢・アメーバ赤痢

細菌性赤痢の潜伏期の多くは1~5日ですが中には12時間で発症する事もあります。症状は発熱、腹痛、下痢、時に嘔吐などを伴って急激に発症、重症例ではテネスムス(しぶり腹)という症状を呈し、頻回の便意を伴う膿粘血便を排泄する典型的赤痢症状を示しますが最近では重症例は少なく、数回の下痢か軽度の発熱で済む症例や無症状で経過する症例も見られます。

アメーバ赤痢の潜伏期は通常2~3週とされますが数か月数年におよぶ事もあります。症状は腸管病変と腸管外病変に分けられます。

腸管病変は無症状のものから重症の大腸炎まで様々ですが典型的な症状は粘血便(イチゴゼリー状)、しぶり腹、排便時下腹部痛などです。

増悪・寛解を数か月から数年間繰り返しますが一般的に全身状態は保たれ発熱をきたす事は稀です。

腸管外病変で多いのはアメーバ性肝膿瘍です。発熱をきたす事が多く上腹部痛、肝腫大などがみられます。

約半数では下痢などの消化器系症状を認めない為注意が必要です。心臓、肺、脳などに病変がみられる事もあります。

感染経路

細菌性赤痢は患者や健康保菌者の糞便および汚染された手指、食品、器物、水、ハエが主な感染源となります。サルも細菌性赤痢に感染する為、輸入ザルが感染源になった事例もあります。

極めて少ない菌量でも発症するのが特徴で家族内で二次感染をきたす事もあります。

アメーバ赤痢は赤痢アメーバシスト(嚢子という形態の一種)に汚染された飲食物を口にする事により感染します。

予防等

細菌性赤痢は現在のところ細菌性赤痢の予防ワクチンはありません。汚染地域ではこまめに手を洗う、生もの、生水、氷などは食べないなど飲食物に対する十分な注意を心がけて下さい。

アメーバ赤痢は加熱処理が不十分な食品は避けましょう。食品以外にも汚染された食器や調理器具から感染する事もあるので注意して下さい。

また赤痢アメーバ症の病原体E.histolyticaは非病原性のE.disparと形態学的に判断するのは困難な為、水様下痢のみの方で海外の医療機関で便検査のみで赤痢アメーバ症と診断された場合には誤診の可能性もあります。

また治療が開始されている場合にも治療効果の確認の為に複数回の便検査が必要です。帰国後に医療機関を受診する事をおすすめします。

コレラ

潜伏期は数時間から5日ですが通常は1~3日です。

症状は典型的症例では大量の水様便(米のとぎ汁様)と嘔吐が見られますが元来健康な人の場合は軽い下痢のみの事が多く無症状の事もあります。高熱や激しい腹痛を伴う事は稀です。

感染経路

汚染された飲食物の摂取により感染します。コレラ菌は胃酸により死滅するので暴飲暴食、胃切除後、制酸剤服用、高齢などが危険因子とされます。

予防等

下水道設備が不十分な地域での滞在には手洗いの励行や飲食物に対する注意が必要です。なおWHO経口コレラワクチンの接種を推奨していますが日本では未認可です。

接種を希望する場合には輸入ワクチンの取り扱いがある医療機関でご相談ください。

腸チフス・パラチフス

潜伏期は通常10~14日ですが接種した菌量が多ければ潜伏期間は短縮します。症状は腸チフスとパラチフスはほとんど同じような症状を示します。

主な症状は発熱で高熱が持続します。下痢が見られることもあります。典型例ではバラ疹(胸腹部に現れる淡紅色の発疹)、肝臓や脾臓の腫大、意識障害や徐脈(脈拍が遅い)などの症状が見られます。

また一旦解熱しても約20%に再発を認めます。腸出血、腸穿孔をきたす事もあります。

感染経路

ヒトにのみ感染する疾患で患者や健康保菌者の糞便で汚染された飲食物を介して感染します。

予防等

上下水道設備の不十分な地域に滞在する場合は加熱不十分と思われる食品は避け飲料水も煮沸して下さい。飲食店や屋台などでの飲食も控えて下さい。

また胃切除後や制酸剤内服中は感染しやすくなるので特に注意して下さい。

A型肝炎

潜伏期は15~50日と幅広いですが平均して28日程度とされています。

症状は食用不振、全身倦怠感、腹痛、嘔気・嘔吐、発熱、下痢、黄疸(眼球の白い部分や全身の皮膚が黄色くなる)が見られます。

小児では感染しても症状が軽い場合が多いですが成人では多くの場合黄疸など症状が見られます。

感染者の約1%は劇症肝炎となり急性腎不全をきたす事もあります。A型肝炎には持続感染は見られず慢性肝炎への移行も見られません。

感染経路

糞便により汚染された食物や水を摂取する事で感染が成立する糞口感染や魚介類の生食などによる経口感染がほとんどですが性行為や輸血による血液感染の報告もあります。

予防等

衛生環境の劣悪な地域では生水や生もの、加熱調理が不十分な食品は避けましょう。

東南アジアや南アジアなどの流行地域に1か月以上滞在される方にはワクチン接種(複数回)を推奨します。A型肝炎ワクチンは摂取すれば抗体のつきやすいワクチンです。

世界保健機関(WHO)のガイドラインでは1歳以上の小児への接種が推奨されています。以前は日本では16歳未満方は接種出来ませんでしたが2013年3月15日付で16歳未満の方も承認され接種出来るようになりました。

まとめ

タイでは風邪をひいて病院に行くだけでかなりの費用がかかります。

もし大きな病気になり入院となると数十万円以上になる事もあります。私も急性胃腸炎になり救急車で病院へ行き、1日半滞在しただけで日本円で9~10万円ぐらいかかりました。

幸いにも加入していた海外旅行保険が適用されたのでキャッシュレスで済みました。

なので万が一の為に海外旅行保険に加入したり、保険が自動で適用されるクレジットカードを持っておくと安心ですね。

 

文章:優斗深本

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