古本には絶版の本を入手できたり、人気の本や定番ベストセラー本を安く買える以外にも利用法と楽しみ方があります。
それは、本に挟んである「しおり代わり」の物を観察してみることです。運が良ければ癒しも手に入ります。
レシートで人間観察
よくあるのはレシートですが、書店のレシートなら印刷してある本の題名を見て興味をひいた本を調べて、面白そうなら買ってみるのも良いかもしれません。
飲食店のレシートなら、試しにその飲食店に行って食べてみるのも良いかもしれません。レシートの内容から前の本の持ち主を間接的に人間観察するのも面白かもしれません。
メモが挟んでいる場合は、書かれた内容も興味深いです。本の感想が書かれていたり、飲食店ガイドのグルメ本なら実際に行った店の感想が書いてあったり、グルメ本に載っていない飲食店の住所、電話番号、グルメルポが書いている事もあります。
映画の半券や美術館の半券は、それを手掛かりに映画を見たり美術館に行ってみたりすれば、普通は興味が無くて知らなかった事を知る機会にもなります。
出版社のブックフェアのチラシは、古本が新刊だったころの流行や人気がわかります。これも知らない本や作者を知るきっかけになります。
ペットの写真が挟まっている時がありますが、これはとても癒されます。普段の何気ない写真やペットフード食べている時も可愛いですが、オヤツやオモチャをもらって大喜びで楽しんでいるところの写真は格別です。写真の裏に名前とかが書いてあると想像が膨らんで楽しいものです。
意外なお宝も…
切手に消印が押してある使用済みのはがき(エンタイヤもしはエンタイア)が挟まっていると、それは意外なお宝になるかもしれません。切手や消印の珍しさや、投函場所と宛先と日付の組み合わせで万円単位の価値が出るかもしれません。物によると、数百万から数千万円の価値のあるものが見つかるかもしれません。
お宝と言えば、作家へのファンレターの返事のはがきもお宝です。本の作風と違う作家のはがきの内容は、なかなか目にすることが出来ない貴重な体験です。
挟んであった作家の本の作風と、はがきを見比べるのも面白いでしょう。もちろんこれもエンタイヤとしての価値がありますし、作家のファンアイテムとしての価値もあります。そして資料的価値もあります。作家が漫画家だったら、はがきにイラストが手描きで書かれているかもしれません。
エンタイヤは海外にも収集家が沢山いて海外の方が高値が付くので、エンタイヤを楽しめるだけ楽しんでから海外のネットオークションに出して、そのお金でまた古本が買えます。
もっと即物的に現金や金券が挟まれている事もあるでしょう、現金ならともかく金券は使用期限が切れている物もありますが、それも珍しい物が手に入ったと面白がりましょう。ただで手に入るのですから。
ただ古本を買うのではなく、そこに挟まれている物を期待して買うのも、楽しみや癒しの一つになるのではないでしょうか。
文章:北山南河