『ふなめし』と言うのは、脂が乗って臭みが無い冬の『寒ぶな』のミンチと人参、ゴボウ、レンコン等の根菜と椎茸、コンニャク、油揚げ等を炒めてから出汁で煮て、しょう油やみりん等で味付けして、ご飯にかけて食べる岡山県南部の冬の郷土料理です。
ふなめしは、うま味たっぷりの優しい味で、一品で栄養をたくさん取る事ができ、川魚のクセが無くて癒される味です。寒ぶなのミンチは骨が歯に触る事も無く、川魚が初めてでも、とても食べやすいです。
本場に食べに行く
ふなめしを食べられる飲食店はJR『岡山駅』の西側の路面電車が通っている繁華街に数店有ります。詳しいお店の情報は、岡山県のホームページに『ふなめし』と検索すると『ふなめしグルメマップ』のファイルがあるページ飛ぶので、そこを見てください。岡山県のホームページなので信頼性は一番高いでしょう。
家でオリジナルを作る
一番手に入れにくいと思われる「ふなミンチ」ですが、ネット通販で真空パック入り加熱済みの物を買うことが出来ます。加熱済みなので生臭くなく、調理時間も短縮できるのが良いです。「ふなミンチ」と検索すると加熱済み真空パックの通販サイトが出てきます。
野菜は『けんちん汁用根菜セット』の冷凍パックや水煮パックで簡単に済ませる事も出来ます。椎茸は干ししいたけをもどした物の方が出汁が出ますけけど、生しいたけでも大丈夫です。コンニャクと油揚げが無くても何とかなります。
フライパンに油を少し入れて、十分に温まってからふなミンチを入れます。ふなミンチに火が通って、色が変わったら根菜を入れてさらに過熱し、フライパンに出汁を入れて煮立ってアクが出たら取って、みりんとしょう油を入れて味付けします。酒と砂糖も入れて調味する方が良いのですが、みりんにアルコールと糖分が含まれているので無くても作る事はできます。弱火にして野菜に火が通って柔らかくなるまで煮ていきます。野菜が柔らかく煮えたら完成です。
フナの川魚臭さが心配なら油を焙煎ごま油にして炒めて、煮るときにショウガを入れて、仕上げにショウガ汁を入れるといいでしょう。
完成したらどんぶりにご飯をよそって、その上にふなめしの具をかけて、三つ葉や小口ネギ等の薬味をのせていただきます。もちろん薬味も無くてかまいません。
ふなめしは一品で主食とおかずを兼ねる上に栄養豊富な料理で、手抜きをしようと思えば、かなり手抜きの出来る簡単な物で丁寧に作っても簡単です。洗い物の数も少ない後始末の楽な料理です。
ふなミンチが余ったら、生なら加熱して密閉容器に入れて冷凍して、加熱済み真空パック入りも真空パックに封をして冷凍で保存が出来ます。
簡単でおいしく、栄養豊富なふなめしは岡山南部出身でなくても、どこか懐かしく癒される味です。
文章:北山南河