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『小さな村の物語 イタリア』は、イタリアの紀行・ドキュメンタリー番組です。
BS日テレで土曜日の 18:00~18:54 に放送されています。
筆者は、この番組を新しいかたちの癒し番組として捉えることができると思います。
毎回ひとつの村を紹介するシリーズとして、このコラムもお送りします。
はじめに
この番組では毎回イタリアの田舎の小さな村が選ばれます。
そこに暮らす村人の、気候や風土に合わせて生きる姿がありのままに描かれます。
山地や海辺といった豊かな自然のなかで、家族や友人とともにつつましくもたくましく生きる村人たちの生活が、観るものにやさしい癒しと、じっくりと生き方を見つめる力を与えてくれます。
どんな番組?
今回は、チステルニーノ(プーリア州)という村をご紹介します。
イタリアの南、プーリア州。見渡す限りの大平原、その中にぽっかりと浮かんだ丘の上に白い家々が肩を寄せ合っている。チステルニーノです。
サンテ・メンガさん
サンテ・メンガさんは、村のだれもが知る肉屋の主人。
商売のアイデアを思いつく才に長けたサンテさんは、買った肉をその場で食べることのできる路上レストランを始めて、近くの街からも大勢の客が押し寄せる人気店となっていました。
60歳を過ぎて引退したサンテさんですが、働き者の性分は変わらず、すぐに新しい仕事に着手し、今も大忙しの日々を送っています。
ファビオ・ピントさん
老舗のバールの店主、ファビオさん。29歳のときに店を継いで以来、家族が大切にしてきた店を守ろうと必死に知恵を絞ってきました。若者に人気のファビオさんは、若者がつどいやすい店づくりをし、悩み相談に乗ったりしてきました。
14年たった今も店は変わらず健在ですが、ファビオの働き方は大きく変わりました。以前は深夜遅くまで働いていましたが、夕方の4時きっかりに仕事を終えて家に帰ります。
大事な子供が生まれたのです。
見どころ
村人に愛される元肉屋主人。
アイデアマンで、精力的に仕事をこなしてきて、引退したあとも別の仕事で
アイデアを繰り出します。
一方、若いころ働きづめだったバーの主人は、大切な人ができて働き方改革をします。
家族との暮しを大切にするため、生き方を変えたのです。
同じ村に住む人々や自分の家族のために、精一杯生きる姿に、癒されます。
番組の公式サイトでは、下記のような紹介がなされています。(以下引用)
”美しく生きるということ…。
気候や風土に逆らわず、共存しながら暮らす。
先人たちが築き守ってきた伝統や文化を誇りに思いながら生きる。
人間本来の暮らしが息づく「小さな村」が今、注目されています。
海を臨む小さな漁村、山肌にはりつくように佇む村、雪に覆われた山間の寒村…。
古き良き歴史と豊穣の大地を持つイタリアで、心豊かに生きる人たち。
〝豊かに暮らす 美しく生きる〟とはどういうことなのか。
私たちが忘れてしまった素敵な物語が、小さな村で静かに息づいていました。
番組ではありのままの時間の流れを追い、
村人たちの普段着の日常を描いていきます。”
おわりに
仰々しくないかたちで、美しく生きるとはどういうことなのかを深く考えさせる、静かに落ち着いた番組です。それでいて、ぜんぜん説教臭くありません。
美しい風景が楽しめるところも、幸せポイントです。
自分の生き方をもう一度見つめなおすことができ、癒しを得られます。
幸せについて考え直すきっかけになるこの番組を、強くおすすめします。
文章:curando