癒し

『小さな村の物語イタリア』を観て癒される（７）

2023/1/23
癒し
テレビ, 人生, 風景
投稿者: kyouei-admin

『小さな村の物語イタリア』は、イタリアの紀行・ドキュメンタリー番組です。

BS日テレで土曜日の 18:00~18:54 に放送されています。

筆者は、この番組を新しいかたちの癒し番組として捉えることができると思います。

毎回ひとつの村を紹介するシリーズとして、このコラムをお送りします。

はじめに

この番組では毎回イタリアの田舎の小さな村が選ばれます。

そこに暮らす村人の、気候や風土に合わせて生きる姿がありのままに描かれています。

山地や海辺といった豊かな自然のなかで、家族や友人とともにつつましくもたくましく生きる村人たちの生活が、観るものにやさしい癒しと、じっくりと生き方を見つめる力を与えてくれます。

どんな番組？

今回は、ヴィオーネという村をご紹介します。

ヴィオーネは、イタリアの北ロンバルディア州のスイスとの国境にほど近い渓谷に佇む村です。

冬になると、村は雪や氷で閉ざされてしまいます。村人たちは昔から、互いを気遣い、手を取り合って厳しい自然を生き抜いてきました。

美容師　ヴィルジーニア・ペドロッティさん（3７歳）

ヴィルジーニアさんが村で美容室を始めたのは１５年前のこと。店はいつもにぎわいを見せています。

村に住む親戚の人たちや、昔からの知人、村のこどもたちなど、村人たちはみな知り合いで顔を合わせたら必ず言葉を交わします。

ヴィルジーニアさんの美容室は村の社交場としての役割も果たしています。

大家族に囲まれてのびのびと育った彼女は、父方・母方の二人の祖母の教えを大切にして生きてきました。

「この世で一番素晴らしいのは、人なんだよ」というのが祖母たちの口癖でした。

夫を戦争で亡くし女手ひとつで５人の子供を育てたパワフルな祖母に憧れ、祖母の言葉を今も心の支えにしています。

測量士　ジャンカルロ・センビネッリさん（４５歳）

測量士の仕事は、家屋や土地の測量に加えて、建築家の仕事も請け負います。

ジャンカルロさんが測量士になったのは、父親の強い勧めがあったから。その昔、医者や神父と並んで、村で尊敬される職業だったからなのです。

ジャンカルロさんは仕事以外にも村のイベントを主催して、劇団の代表もつとめています。

２５０年前に村を襲った火災を題材にした劇において、独自の詩を朗読しました。村人からも好評を博しました。

見どころ

二人の肝っ玉ばあちゃんの姿を胸に日々頑張り続けるヴィルジーニアさん。

村の催し物の差配を一手に引き受ける測量士のジャンカルロさん。

村の中で精一杯自らの役割を果たし、村のために村人たちと力を合わせて生きています。

そうした姿に癒しを感じます。

番組の公式サイトでは、下記のような紹介がなされています。（以下引用）

”美しく生きるということ…。

気候や風土に逆らわず、共存しながら暮らす。

先人たちが築き守ってきた伝統や文化を誇りに思いながら生きる。

人間本来の暮らしが息づく「小さな村」が今、注目されています。

海を臨む小さな漁村、山肌にはりつくように佇む村、雪に覆われた山間の寒村…。

古き良き歴史と豊穣の大地を持つイタリアで、心豊かに生きる人たち。

〝豊かに暮らす美しく生きる〟とはどういうことなのか。

私たちが忘れてしまった素敵な物語が、小さな村で静かに息づいていました。

番組ではありのままの時間の流れを追い、

村人たちの普段着の日常を描いていきます。”